カーネーションのブーケ

気温の乱高下が続いた春、新学期の慌ただしさや新しいプロジェクトを引き受けた

忙しさからか、季節をしっかりと味わう間もなく5月の末近くになってしまいました。

見渡す里山の緑が濃い緑に、枝ばかりだったイチョウの大木も瑞々しい葉が茂り涼やかな姿に。

ブルーベリーの木の高い枝についていた卵から孵ったばかりの小さなカマキリ達を見つけたのは

ラッキー♫  全員が無事に大きくなってほしいなぁと願いながら行く手をしばらく

見守りました。

フリフリなカーネーション

カーネーションは毎年少しずつ作り方を変えて作っている花の一つです。

繊維が長く破れにくい和紙と違い、洋紙を使って作る場合、この特徴的なフリルをきれいに

出そうとするあまり破いてしまうことが何度かありました。

今年は前から試したかった方法で洋紙自体をちょっと加工してみたところ、

全然破けない!!

この紙を使うことで、アザレア工房史上最高のフリル花弁を作れるようになりました。

(大げさ? いえいえ、ストレスなくフリフリに作れるってホント最高!)

手持ちの赤を見比べて、鮮やかさと深みのバランスの良い紙を選び、フリフリ花弁の

カーネーションを一輪花バージョンで造りました。

一輪だけじゃない理由

卒業、卒園式で使われる一輪花はその名の通り、ガーベラやバラなど

長めの茎の花一輪の全体をラッピングバッグ(細長い透明の袋)に入れて根元をリボンでキュッと

結んだものです。

それとは違い、アザレア工房の一輪花はメインの花にかすみ草や創作花など小さめの添えの花を

数輪、更に葉も一緒に束ねごく小さなブーケにしています。

ラッピングも普通のブーケのように花の頭部分はしっかりと出すタイプ。

これには理由があります。

以前、本物に似せたバラ一輪を作りラッピングした時、物足りない、貧弱だなぁと

感じてしまいました。

生花のようにラッピングバッグに花頭まですっぽりと入れる方法は、生花だからまだ

イキイキとした花の美しさを感じられますが、紙の花ではちょっとキツイかも。

短いタイプのラッピングバッグからひょいと花頭だけ出してもどうにも収まりが悪い。

紙の花を作りながらやはり思うのは、リアルの花の命のきらめきや重さでした。

こればかりはいくら形を真似てみても、近づけるものではありません。

悩んだ末に原点に戻って考えることにしました。

どんなシチュエーションで一輪花を使って欲しい?

どんなふうに一輪花を渡して欲しい?

誰に一輪花をプレゼントして欲しい?

そうしたらすんなり答えが出ましたよ。

受け取った花が本物かと思ったら紙製だったことに驚いて欲しいのではないのです。

花を渡すことに慣れていない人、照れてしまう人が気軽に渡せるサイズ。

他では手に入らないオリジナル商品だから、小さなブーケだけどあなたのために探したよ、

という気持ちも一緒に伝えられる特別感。

でも、軽やかさをまとってさり気なく渡せるブーケ。

コンセプトがしっかり固まったことで、紙の花の特徴を活かすために一輪という言葉に縛られずに

ごく小さなブーケにまとめるスタイルとなりました。

一輪花 〜 アイスクリームコーンみたいに 〜

コンセプトが決まったことで、季節ごとにメインの花一輪を決めるだけでよくなり

格段に作りやすくなりました。

しばらくは通常のブーケと同じラッピング材を使っていたのですが、ある時、花屋さんで

見かけたワンコインのサービスブーケに釘付けに。

ワッフルコーン柄のペーパーで花数輪と添花を包んだちんまりコロンとしたブーケが

たくさん並んでいたのです。

かわいい!

工房の一輪花をアイスクリームっぽくできる!とひらめきました。

が、花を単にラッピング材で包むだけでは簡単に落ちてしまいます。

コーンの形にならないからリボンで結ぶこともできず、防水処理済みのペーパーのため

テープ止めもさほど効かず(ちょっと逆さにする程度は大丈夫でしたが、トスブーケのように

放り投げたり落としたりすると外れてしまったので、商品としては使えません)。

これでいける、という方法を見つけたときは本当にホッとしました。

華やかで、生花とは違う意外性があって。

軽くて、手入れの心配もなくて。

特別感がありながら、気軽に渡せる、そんな可愛らしいアイスクリームのような

プチブーケが生まれた瞬間でした。

進化する一輪花ブーケ

この数年、一輪花ブーケはバラのみでしたが、今年初めてカーネーションでも

作ってみました。

これからも花の種類は季節やイベントに合わせて少しずつ増やすつもりです。

そして、これも以前から取り組んでいるアフターウェディングクラフトの流れですが、

もしもブーケに飽きたら、捨ててしまう前にクラフト資材として使ってもらえるように

と思っています。

枯れたら捨てる、あるいはドライフラワーにして多少延命できる生花とは違い、

ときたまホコリを払う程度でずっとそのままであり続ける紙の花、飽きたら捨てる以外の

楽しさのある道をご案内したいと思います。

これも小さなSDGs、の一つかな?

私は芸術作品を作るアーティストではなく、花の作り手。

多くの手数をかけて作られた紙を使って作った花だから、いろいろな方法で楽しむ方法も

お伝えしていければと考えています。

 

Azalea工房Minne店 一輪花ブーケ・カーネーション

Azalea工房Minne店 一輪花ブーケ・バラ