心機一転、つらつらと考えること

長いお休みでした

事情により昨年秋から数件の直接オーダーをお受けした以外は、ネットショップでの販売と自宅や

出張のレッスンをお休みしていました。  夏前から徐々に再開していますが、まだまだフル活動とは

いかず…。 再開、というより、初めからスタートという気持ちで進めていかないとですね。

カルチャースクールの講座は続けていたため、新しい花や技法の作品もいくつか増えました。今後

こうした作品もご紹介できるかと思います。

価格の見直しをします

この間に、懸案だった価格の見直しなどを進め、24年秋現在も作業中です。

前回の見直しは2021年、それまでは材料の値上げがあっても2019年に消費税が上がっても講習料と人

件費を削ることで6年間は同じ価格でいました。 がさすがに難しくなった末の見直しでした。

それから約3年、材料を取り寄せるための送料がさらに上がり、また各種資材も値上げされました。

これ以上講習料・人件費から持ち出すのは不健全なこと、紙の花は制作に時間や手間がかかり薄利多

売に向かないことなどから、講習費や作品販売価格の再度見直しをすることにしました。

見直すにあたり、現状のまま「講習費(材料費込み)」とするか、それとも別立てにするかを検討し

た結果、現状のままとしました。

紙の花の価値

活動を始めて10年、最初の頃イベントで言われた、「紙なのに高い」「もう少し安ければ…」

は、いつの間にか言われなくなっていました。

材料だけあってもモノは作れないという当たり前のことを当たり前に思う方が増えているのだとした

らとても嬉しいことです。

誰でも気軽にハンドメイド品を販売できるようになり、お客様の選択肢が増えたのも追い風かと思い

ます。 ご予算第一で選ぶ、気に入ったデザイン第一で選ぶ、この二つに優劣はありません。

どちらにバランスをより傾けて選ぶか、それはその時々で変わるもの、変えるもの。 私の作る紙の花

もそうやって選んでいただければと思うのです。

とはいえ、私が生花とは違う美しさ、プリザーブドやクレイ、布など他の花とは異なる紙の花なら

ではの価値を伝えきれているかというと、まだまだ足りない…。

もう一度、命を吹き込む

現在まで一貫して大きな価値だと考えているのが、お客様が作り替える自由があることです。

もちろん販売用に講習用にと考え抜いたデザインなのでそのままで置いてくださるのが一番嬉しいで

す。 でも紙の花は寿命が本当に本当に長く、何年も経つうちに目にも場所にも馴染みすぎてしまい、

存在感が消え失せてしまうことも。 ごくたまにホコリを払う程度のお手入れさえすれば、破けるでも

なく、壊れるでもないのが長所ではありますが、逆に飽きた時どうするかが難しい気がします。

そんな時はどうぞ遠慮なくお客様のアイディアで作り替えて、新たな命を吹き込んでもらえたらと思

うのです。 ブーケはリボンを解き、茎を折るか短くカットして小さな花瓶に。 残りの花も茎を短く

カットして、100均で買ったナチュラルリースにアレンジするのはどうでしょう。

グルーガンで貼ってあるリースの花は花元を揺するようにして外していきます。 パーツになった花を

100均のシンプルな額縁にバランスを見ながら貼ったり、小さなマグネットに貼ってみたり。

こんな時素材が紙なのがありがたく、マステで貼って短期間その場所を飾り付けることもできます。

小さなカゴにまとめて入れておけばまさに花籠、お好きな場所に置いて楽しめます。

私の作品は、将来その時が来たらお客様がご自身の生活や好みに合わせて解体し、パーツとして

どんどん使っていただけたらと思います。

ようやく暑さの終わりが見えるなか、そんなことを考えながら届いた紙の整理をしています。