甘いカップケーキと苦い経験

住んでいる町にはあちこちに美味しいスイーツ屋さんがあります。
常設店舗だけでなく、決まった日に自宅ショップをオープンするお店や、
全国の常連さんのオーダーでほぼ完売のお店、など形態も様々。
共通するのは美味しいこと!

一時期、甘い物が無性に欠かせない時があり毎週のようにあちこちに
行っていましたが、最近は体調(いや、体型か?!)を考え控えめに……。

ふと思い出して昔の作品からご紹介。

このペーパーカップケーキは、JPAで資格を取り活動し始めて間もない頃に
協会内のワークショップ企画の公募に出したものです。
一番悩んだのは条件の一つ、「オリジナルデザイン」であること!

ペーパーフラワー講師として活動開始してまだ間もなく、協会の創作活動でのオリジナルとは
どういう意味かをかなり厳しく考えすぎていたようで、販売するなら既存の構造を使うのはパクリ、先方に連絡してOKもらっていないのもや、参考にしました、◯◯さんリスペクト、などと入れずに自分のデザインに落とし込むのはパクリに当たるから駄目、と思い込んでいました。(実はそんなことはなくて、極端な話、骨格の構造や発想が同じでもパーツ違いならOKみたいな適当な感じだとわかったのはしばらく後の話。そもそもフラワー制作自体は技法が特許取れるほどの完全オリジナルっていうことはよほどの場合以外はありえなくて、大概は昔からある技法の焼き直しや応用です。作りやすいコツや独創的なアレンジ、薬液の利用などの部分で先生ごとのオリジナリティが発揮される感じでしょうか。)

ブログやショップに全く公開していないならどうしようもないけど、逆にそれなら
私が知りようもないわけで…と割り切ることにして、とにかく思いついたデザイン・構造を
幾つかのメジャーな言語で検索し、誰かが作っているのを見つけてがっかり…を一週間ほど
繰り返していました。
ようやく、これならないかも、と思えたのがこのカップケーキです。

ケーキ部分の基本構造は、アザレア工房がフラワーパンプキンやフラワーボールなど幾つかのレッスンで使っているもの。
これをロゼッタに入れ込むことで簡単に均等できれいな半球を作れるようにしてあります。
カップ部分にはミニプレゼントやカードを仕込むため、ケーキ部分に蓋としての機能を持たせた欲張り構造♬ こうやって固定した構造は見つけられなかったので、胸を張ってアザレア工房オリジナルデザイン!と思えたのでした。
審査を通って、講座として販売するためにブラッシュアップする段階で出た要望が
キッズ向けに首から下げられるようにする変更…。
え〜?!ペンダント仕様ってどんなシチュエーション???
正直なところ、ケーキ部分がよく見かけるテープ状のペーパーで作るタイプならキッズ向けにはありかも、と思うけれど、パパっとキッズが作るワークショップ向けならこのケーキの構造は向かないし、そもそもキッズ向けの募集じゃなかったし…???

結局、その後の諸事情で私のペーパーカップケーキの通信講座販売の話はなくなったのですが、講師活動初期に「オリジナル講座」や「オリジナル作品」の定義を考えることができ、貴重な経験ができたと思っています。

そのときは日の目を見なかったカップケーキ達、スイーツ小物レッスンでお二人に作って頂いたきりです。ペーパースイーツは他にも前田京子先生監修の素敵なケーキやクッキーなど
レッスンできるものもあるので、それらと組み合わせて「美味しい講座」を作ろうかな…♬